キミは新米!ボクは新前!
新入りの「新米」とお米の「新米」。同じように使われているけど、元は別の言葉でした。
新人や駆け出しなどの意味で使われる「新米」。これはもともと「新前」という言葉でした。江戸時代、新入りの奉公人は真新しい前掛けをしていたことから、「新前掛け」と呼ばれるようになり、やがて略されるようになって「新前」に。さらに訛って「新米」に変化したと言われています。新しいお米を意味する「新米」とは直接の関係はない言葉だったのです。
日本一の米食い処!
いよいよ新米シーズン到来!たくさんお米を買っている都市のランキングを発表します。
【1世帯当たり年間の購入数量】
①札幌市 95.42kg
②静岡市 95.35kg
③浜松市 94.23kg
④佐賀市 93.97kg
⑤長崎市 92.83kg
⑥青森市 89.78kg
⑦新潟市 89.67kg
⑧山形市 88.51kg
⑨奈良市 88.16kg
⑩津市 87.62kg
〈全国平均 78.18kg〉
ちなみに名古屋市は79.47kg(24位)、大阪市は72.23kg(38位)、東京23区は61.65kg(50位)でした。
※参考文献:総務省「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成23~25年平均)」
未来のクルマはライスカー!?
石油に変わる資源として期待されるバイオ燃料。お米からつくる研究も行われています。
ポスト石油として、開発が進むバイオ燃料。米国やブラジルではトウモロコシやサトウキビから製造されています。日本では2008年、農林水産省が主導で稲わらからバイオ燃料をつくるプロジェクトがスタート。2014年には、大手建設会社が稲わらから効率的に製造できる技術を開発しました。近い将来、食べるだけでなく、燃料をつくるためにお米が育てられる日が来るかもしれません。
縄文人は、ヘルシー志向!
日本人はもともと白米を食べていたのではありません。古来は、雑穀を食べていました。
雑穀は主食(米や麦)以外の穀物のこと。日本人の農耕の歴史をたどると、稲作が始まったとされる縄文時代は米が主流ではなくアワやヒエなども作られていました。白米を食べるのが主流になったのは江戸時代中期ごろですが、農民は白米と雑穀を混ぜて炊いたものを食べていました。昭和30年代以降は、家庭で日常的に雑穀を食べることはめっきり少なくなりました。
どうしてお米は、北国大好き??
稲は、もともと熱帯がルーツ。だけど、北国が米どころなのは、こんな理由がありました。
ひとつめは、昼は暑く、夜は涼しい夏の気候。稲は昼間にエネルギー源となるでんぷんをつくり、夜に消費します。夜が涼しいと消費量が少なく、でんぷんがよくたまり、美味しいお米になります。ふたつめは豪雪地帯が多く、雪解け水に恵まれていること。水田で育てる稲には、豊富な水資源が必要です。このような美味しいお米が育つ自然環境から、北国は米どころになりました。
ぼくらはみんな、田んぼ仲間。
田中さんに山田さん、ひとの名前にも多い「田んぼ」を由来にした名前。生き物にもいろいろいます。
【コメツキバッタ】ショウリョウバッタの別名。人間に両足を持たれると身体を縦に振り、その動作が米を搗いているように見えるため。
【タニシ】田に棲む貝の王様という意味の「田主(たぬし)」から「たにし」に。
【タガメ】カメムシの仲間で、「田んぼのカメムシ」が由来。
【ライスフィッシュ】メダカの英名(Japanese rice fish)。田んぼの水たまりやその周辺の水路、池などに多く生息することから。
メシは、敬語でございます。
ご飯などを意味するメシ。荒っぽいイメージの言葉ですが、もとは敬語でした。
メシはもともと「召す」の動詞で、「召し上がる」「召し給う」という敬語が語源です。「神様の召し上がりもの」という意味で、古来の日本ではお米は神様が食べるものとされ、ひとはその「おさがり」をいただくことで御加護を受けるとされていました。いまのように食事一般をさす言葉として日常的に使われるようになったのは江戸時代以降になってからのことです。