作 り 手 訪 問
作 り 手 訪 問
「重要文化的景観の「白糸台地」。」
「通潤用水と白糸大地の棚田景観」は、平成20年から22年にかけて、重要文化的景観の指定を受けている。棚田では全国初だ。通潤橋とともに、163年間にわたって維持されてきた歴史的な価値が高い棚田というわけだ。平成24年には第18回「全国棚田サミット」が、この地で開催されている。
草野さんが所有する棚田は合計で1丁5反。通潤橋があるからこそ、これだけ開墾できたという。草野さんが所属する自治振興会では「通潤橋水ものがたり」という名称で白糸台地の棚田米を消費者に届ける取り組みを行っている。
「棚田は綺麗だが、作業が大変。」
「35歳のときに、親父からこの棚田を継いだ」という草野さん。「親の代はすべてが手作業。いまは機械も入るが、それでも棚田は狭い圃場が多いので、作業の効率はよくない」「地形的に作業そのものが大変だが、中でも草刈りがいちばん大変」だそうだ。
しかし、草野さんたちの会では、除草剤は年1回しか使わない。草がよく育つ夏場、仕事の大半は草刈りになるらしい。傾斜がキツイ地形なので、暑い時期の作業の大変さは想像に難くない。
「米の味は干し方と肥料で決まる。」
この辺りの土地はだいたいが赤砂壌土で成っている。風土を理解し、土質を知り、太陽のあたり方を知ることが、良い米を作る基本だと教えてもらった。風土とはよく言ったもので、風と土が米の味を決めるということか。だからこそ、草野さんをはじめ、会のメンバーは天日干しにこだわっている。
そして、ここには、たっぷりのいい水がある。通潤橋を通して送られてくる水の源流は南阿蘇にある。阿蘇の外輪山の伏流水はたっぷりのミネラルが含まれている。特別栽培にこだわり、農薬はほとんど使わないから、水がキレイになりカエルやドジョウが増えたそうだ。なんと、絶滅が危惧されていたタガメも見かけるようになったという。
みんなの努力で、「水のものがたり」は、これからも、続く。
[特別栽培熊本県山都町産ひのひかり]
美しい風景と阿蘇山麓の水が育てた米
五老ヶ滝川にかかる通潤橋と一面に広がる棚田の眺めは、「美しい日本のむら景観百選」に選ばれています。阿蘇山麓の湧水と有機肥料を使い、刈り取り後は低温乾燥。もちもちした食感で冷めても美味しいお米です。
生産者:通潤橋水ものがたりの会