「相馬農場」相馬 時博さん_2

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 作 り 手 訪 問 

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作 り 手 訪 問

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「有機農法の後継者。」

 時博さんは3兄弟の次男坊だ。祖父が亡くなったことで、3人のだれが父を手助けして農業の後継者になっていくのかという話になった。そのとき、ご長男はすでに絵描きを志しており、三男はまだ中学生だった。ならば、じぶんがという成り行きになったそうだ。農業の手伝いをよくしていたのと、そのときによく怒られて厳しく教えられていたこと。そして、すでに営農している友人がいて、いろいろと相談したり、味方になってくれたことで決心したそうだ。

 帰ってきたときから、いま現在まで、一貫して有機栽培を手がけている。相馬農場の耕作面積は約15ヘクタール。どれくらいのサイズかが想像できないでいると、「サッカー場だと15面と思ってもらったら、わかりやすいでしょ。」と、相馬さんは笑って教えてくれた。とてつもない広さということは、よくわかった。(笑)そのうち3.5ヘクタールがJAS有機(農林水産大臣からの認定が必要)で、いちばん長い圃場はもう、18年間やっている。

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相馬さんの左手の大きな袋には「もみ殻」が入っている。土地改良用の資材だ。

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ここで育てられているのは「あきたこまち」だ。向こうには森山や太平山が見える。

「米は土(肥料)で味が決まる。」

 お話をうかがってわかったのは、父から受けついだ知識だけではなく、自身でもかなり勉強されているな、ということだ。もちろん、実践に裏付けられた知識だ。
 「米は土(肥料)で味が決まる」と言う。だから、相馬農場では土づくりにかなりの労力をかけている。土壌を反転させて養分を地表に運ぶ「プラウ耕」を数年単位で計画的に実施している。土壌を空気に晒して乾かし、より水分を吸いやすい状態にするのである。その際には稲わらを漉き込み、土中で腐らせることで養分を多く含んだ土になる。また、耕すのは12センチくらいと、こだわっている。その深さが経験上、いちばん土が良くなるそうだ。
 また、圃場の周囲には、排水をよくするために「暗渠(あんきょ)」、つまり側溝が掘ってある。深さ1メートルくらい掘り、パイプを置き、その上に籾殻を入れることで、適度な土壌水分を保つことができる。
 「稲は生きている。実を付けても、まだ育つもの」だそうだ。だから、土と水が大切になるのだ。

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畑の近くに置かれていた堆肥。これは畑に使うもの。お米に使うものとは違う。

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登熟具合を見て、刈り取りの時期を確認する相馬さん。

「ブナの木を植林して、水源を守っている。」

 父が始めたブナの植林活動は、いまでは彼の世代が引き継いでいる。ブナは成長が遅いが200年以上も生きる長寿の木だ。そして、秋になると落葉する広葉樹でもある。落ち葉が山に堆積することで、水がゆっくりと地下に染み込む。水をきれいにしながら、少しずつ水が川に流れていくので、洪水を防止してくれる。そのうえ、良い水質の水がいつでも確保できる。根をしっかり張るので、土砂崩れが起きにくくなるメリットもある。
 「ブナの木は、特別な働きをしてくれるんですよね。」相馬さんの、ブナ愛に満ちた言葉だ。

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相馬さんに案内していただいたブナ林。旧「恋路スキー場」のあたりだ。

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ブナの苗木。植えてから3〜4年経つ。

JAS有機栽培 秋田県大潟村産あきたこまち 八郎潟の堆積土で育った相馬さん米

[JAS有機栽培秋田県大潟村産あきたこまち]

八郎潟の堆積土で育った相馬さん米

川の上流にブナを植林し、おいしい水を確保して米作りに取り組む相馬さん。八郎潟の堆積土や日本海の潮風など、自然の恵みがおいしいお米を育てます。

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生産者:相馬 時博さん

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