作 り 手 訪 問
作 り 手 訪 問
「じぶんより若い農業者に、ちゃんと伝えたい。」
「いろいろ試したけど、いまがいちばん良い。」
「父の時代から、じぶんが中心の時代になりました。それだけに、新しいこともいろいろ考えたけど、いまやっていることを続けていくことが大切だと思っています。これからも、有機農法でやっていきたいです。いままでもこれからも、化学合成した肥料は一切使いません。殺虫剤や殺菌剤はぜったいに使わない。生態系が壊れるし、益虫が減っていくのは、農業の衰退につながります」と、相馬さんは言葉にチカラを込めて話してくれた。
「米作りの仲間を育てたい。」
「いま39歳のじぶんよりも若い農業者に、ちゃんと伝えていく立場になっていると自覚しています。だから、学んだこと、知っていることを伝えていきたいんです。」農協青年部の役職についている時博さんは、農業に関する勉強会や研修会を積極的に開催している。農政情報にも関心を持ち、収集している。
いま、北海道、中でも旭川周辺に勢いがあって、注目しているそうだ。次の日、旭川の生産者を訪ねるという菊太屋社長東井に、ぜひ紹介してください。話を聞かせてください。と、熱く詰め寄る相馬さんだった。
「年1回JAICAに協力。」
相馬さんはJAICA(独立行政法人国際協力機構)の要請で、開発途上国の農業発展に国際協力している。ケニア、セネガルなどのアフリカ諸国の農政局局長クラスが年に一度、相馬さんのもとを訪れる。オーガニックの米づくりを学びにやってくるのだ。
やがて、アフリカでも有機農法の米づくりが広がっていくことを夢見ているのかもしれない。バイタリティー溢れる相馬さん。農協青年部の役職、JAICAへの協力。でも、軸足は相馬農場にじっくり置いている。「二足の草鞋を履くのは、本業がおろそかになる。」そう、自分自身を戒めている。
[JAS有機栽培秋田県大潟村産あきたこまち]
八郎潟の堆積土で育った相馬さん米
川の上流にブナを植林し、おいしい水を確保して米作りに取り組む相馬さん。八郎潟の堆積土や日本海の潮風など、自然の恵みがおいしいお米を育てます。
生産者:相馬 時博さん