作 り 手 訪 問
作 り 手 訪 問
「コシヒカリのつくり方が
わかった。」
「いちばんは雑草をとること。」
鈴木さんは3年前から「深水管理」でコシヒカリを栽培している。ヒエ、コナギ、オモダカなどの雑草は稲の養分を吸いとるので、米の味は落ちるし、収穫量が減る。まさに、雑草は稲の大敵だ。しかし、「深水管理」だと雑草が生えにくい。以前、人力で草を除去していたころの大変さに比べると、作業も楽になる。
「うちの米はタンパク質が多くて、食味が良い。」
鈴木さんは田おこしをヨソより早い時期にやっている。そうすると、草が一回生えるが、乾土効果と言い、土が乾くことで土壌から供給される窒素の量が増えるのだ。
一般的に肥料で窒素成分が多くなると、お米のタンパク質の量が多くなる。タンパク質には、消化しにくいプロラミンという成分が含まれ、これが多いとご飯を炊いたときにパサパサになり、食味が低下する。
ところが鈴木さんによると、『先代の受け売りですが、うちのお米はタンパク質が多いけど食味はいい』とのことだ。有機醗酵肥料を使うとプロラミンが少なく、化成肥料を使うとプロラミンが多くなってしまうのだろう。というのが、鈴木さんの考えだ。
だから、鈴木さんは一貫して有機醗酵肥料を使っている。深水管理と有機醗酵肥料。これが、コシヒカリの作り方の基本だそうだ。
「機械では、味は測れない。」
あるコンクールで日本一の栄誉に輝いたこともある先代(父上)から教えられたことはいろいろある。そのひとつが、『数値に踊らされるな』ということだ。窒素成分を計るとダメでも、官能試験ではOKな場合もある。大切なのは数字に頼るよりも、経験を積み、感覚を養い、判断力を磨くことだ。
「田んぼから、教えられる。」
食味も田んぼも、見極めるには観察力が大切だ。『歩け、とにかく朝晩、田んぼに行け』先代から、そう言われ続けたそうだ。同じ日のうちでも土の具合、稲の具合は変化する。昨年は分からなかったことも、今年は分かることも多い。迷ったときには、『あのときこうだったから』と、判断できるようにならないといけない。
それには、日ごろの姿勢だ。毎日、田んぼに出る。ちゃんと、田んぼに出る。日々、感じることで、土の乾き具合も読めるようになる。じぶんの成長につながる。
「いまはスマホで天気を知ることができるけど、親父は遠くを見て、『もうすぐ雨になる』と、言っていました。そういうことなんだなあ、きっと。晩年になって、やっと答えを教えてもらった気がしています。」
[JAS有機栽培山形県庄内産こしひかり]
大地のチカラを引き出した鈴木さんのお米
米作り日本一に輝いたことのある父から受け継いだ作り方を守る鈴木さん。栄養豊富な有機発酵熟成肥料で地力を高め、米ヌカ・鰹節・海藻などに由来する肥料で旨みの多いお米に仕上げます。
生産者:鈴木 孝征さん
[特別栽培山形県庄内産つや姫]
鈴木さんが精魂込める味自慢のお米
わが国のおいしいお米のルーツ「亀ノ尾」の系譜を受け継ぐ「つや姫」。旨み成分が極めて多く、一番の特長は「おいしさ」です。山形県から認定された、技術力の高い生産者だけが生産しています。
生産者:鈴木 孝征さん