作 り 手 訪 問
作 り 手 訪 問
「先代のやり方を変える気はない。」
菊太屋米穀店の「作り手訪問」シリーズ4回目。今回もまた雨である。晴天に恵まれたのは初回だけ。きっと、取材メンバーの中に雨男(雨女?)がいるに違いない。(笑)
空路、雨の山形入りし、「おいしい庄内空港」から車で1時間半ほどの鈴木さんのお宅に向かう。現地についてもまだ雨が残っていたため、圃場の取材は後にし、雨が止むまでご自宅で鈴木さんのお話をうかがった。鈴木さんは米作り日本一に輝いたことのある故鈴木紀生さんのあとを継ぎ、意欲的に農業に取り組む次世代の生産者だ。
「いきなり、だだちゃ豆、登場!」
お茶とともに出てきた庄内特産「だだちゃ豆」。鶴岡の方言で「だだちゃ」は「おやじ」のこと。「おやじ」が作った豆で、「だだちゃ豆」と言われるようになったとか。
鈴木さんのお母さまも育てているそうだが、本日出していただいたのは買い求めたものらしい。香りが良くて、口に入れると濃厚な旨味だ。鈴木さんからの受け売りだが、『だだちゃ豆は、ひと房にふた粒が原則』なんだそうだ。なるほど、食べたものはほとんどが、ふた粒だった。しかし、美味い!取材スタッフは口に入れるたびに、美味い!美味い!の連発だった。
「平野の中の平野、鶴岡市小中島。」
ここ鶴岡市小中島(旧藤島町)は庄内平野の真ん中に位置する。鈴木さん曰く、平野の中の平野だ。
海が近い。10数km西はもう海だ。そして、東には月山、羽黒山、湯殿山のいわゆる出羽三山が位置し、奥羽山脈、鳥海山などにまわりを囲まれている。台風などから山が守ってくれるので気候が安定している。海風の影響はなく、だし風(山から吹きおろす風)が強い。『だし風が吹くと田んぼが乾く』と、言われる。水管理が難しく、米作りの天敵だが、中干しや長雨の影響で圃場が乾かないときは、神風と思えることもあるそうだ。
米の成育期の気候としては、朝晩涼しく、昼は暖かい。日中、日差しを充分に浴びて作られる栄養素が、朝晩涼しいことで米粒に蓄積されていく。この寒暖の差が美味しいお米を作る。米作りにこれほど向いた地域はない。『コシヒカリを作るにはいちばんの地域です』と、鈴木さんは自信を持って言う。
[JAS有機栽培山形県庄内産こしひかり]
大地のチカラを引き出した鈴木さんのお米
米作り日本一に輝いたことのある父から受け継いだ作り方を守る鈴木さん。栄養豊富な有機発酵熟成肥料で地力を高め、米ヌカ・鰹節・海藻などに由来する肥料で旨みの多いお米に仕上げます。
生産者:鈴木 孝征さん
[特別栽培山形県庄内産つや姫]
鈴木さんが精魂込める味自慢のお米
わが国のおいしいお米のルーツ「亀ノ尾」の系譜を受け継ぐ「つや姫」。旨み成分が極めて多く、一番の特長は「おいしさ」です。山形県から認定された、技術力の高い生産者だけが生産しています。
生産者:鈴木 孝征さん