作 り 手 訪 問
作 り 手 訪 問
「有機農法じゃないんです。
自然循環型の農法です。」
福田さんは、自身が取り組む農法を「自然循環型」と呼んでいる。15年くらい前、「これからの時代は有機だろう」と、有機栽培への取り組みを始めている。岡田茂吉の「自然農法」にひかれ、その影響を強く受けながらも、独自色を加えたのが「自然循環型」だ。
「圃場は自然のホスピタルだ。」と、福田さんは言う。病気になったら医者へ行くという考え方ではなく、理由を考えて原因をつきとめれば解決できる。この時期にはこれというマニュアルにのっとったやり方ではなく、植物の顔を見て、植物が欲しがることを考えるのだそうだ。
圃場に無理させないのも福田さんの原則だ。肥料をたくさん使わないのは、その考え方からだ。肥料を入れすぎるとよいわけがない、副作用ばかりが起こる結果になるという。圃場に無理をさせると、けっきょく味に出る。腹八分目というか、ほどほどがよいという福田さん。1反あたりの収穫量を6〜6.5俵(標準は10俵)と、きわめて少なく押さえているのも、圃場に無理をさせたくないからだ。
「圃場づくりに、
とても時間がかかります。」
苗を植えて、さあ!と、いきなり肥料を入れてもダメだと福田さんは言う。田植え前に圃場が出来あがっていることが肝心だそうだ。微生物で肥えた圃場が理想で、基礎的な栄養は堆肥だけでもお米はできるという。「良い寝床の中のように、環境のいいところで育てば、よく育つ。」農作物は地力で作るもの。そんな福田さんの圃場の土はズシリと重いのだそうだ。
8月の終わりに植えて冬に収穫。2月ころに植えて6月ころ収穫。年2回ジャガイモを作っている。寒さや暑さに強く、なんと土中に保存している。
[JAS有機栽培和歌山県岩出市産きぬむすめ]
子を想う親の気持ちで作る福田さん米
たんぼはもちろん畦周辺まで、お米が育ちやすい環境を作る福田さん。「最後は愛情だ!」と、子を想う親のような気持ちでお米を育てています。噛みしめるとじっくり甘く、粘りがあるのにすっきり淡い食感です。
生産者:福田さん夫婦